あの日あの時あの場所で。

「…抜け出さない?」

「…えっ。マ、マジで…?」


真波に提案する。

驚いた顔をする真波。

そりゃ、驚くか…。


「二人なら大丈夫でしょ!」

このままじゃ、嫌でしょ?真波。

「うんっ。莉子がそう言うなら!」

「…真波ぃ!」


ありがと、真波。

これは、二人だけの約束である計画。


「莉子ぉ~。ちょっとこっち来てぇ?」

…ひ、瞳!?

そこには手招きをして立っている瞳がいた。


「わ、分かった。今行く…」


真波に顔で『ごめん』と伝え、席を立つ。


「なに…?」

瞳のもとへ駆け寄って、問いかける。

「こっち。来て?」

「うん…?」


手首を持たれ、瞳の思うままに引っ張られていく。


「あ、の…。どこ行くの?」

「ん~。千尋と芙佳がいるとこ、かな?」


なんで、疑問系…?


そして、連れてこられたところ。

そこは―…。

「…屋上?」

なんで…?


こんな、人気のない場所なの…?


「―ねぇ、莉子?」

「なっ、なに…?」

「さっき、真波と何話してたの?」

「…!?」


瞳の声、が、低い。

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