未来の君のために、この恋に終止符を。







晴樹と付き合うようになって、数ヶ月が過ぎた。

世の中はすっかり秋で、鮮やかな色あいに染められている。

腕の怪我も痛みを感じることはなく、すっかり日常生活に戻った。



だけど私たちの関係は以前と変わってしまった。

晴樹は私に対して怒りも、愚痴も、なにもぶつけようとはしない。

ただ、笑顔と隠しきれない悲しみだけ。



いつだって彼は、苦しそうに息をしている。

私が、彼を生きながら殺しているんだ。



そんな日々に馴染めずにいるけど、私よりもっと受け入れられない人が多くいる。

それは、晴樹のことを好きな女の子たちだ。



ただの幼馴染だと思っていた可愛くもない女が突然晴樹の恋人になり、彼の心配や優しさを一身に受けて。

今まで以上に私はそばにいて、彼女たちが晴樹と共にしていた時間は削られ、その上晴樹はなにかあれば一言目には「実莉」。

許しがたいと思うことは、当然だ。



クラスの人気者を奪ってしまったんだから、周りの人に疎まれることは、仕方がない。

私ができることは我慢して、周りから向けられる感情を受け入れて、心の中で謝罪することくらい。



許してとは、言えない。

なにがあっても彼を手放すつもりのない、強欲な私が許されるはずがないから。



そんなふうに思っているから、毎日私は女の子たちのやっかみを向けられている。






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