未来の君のために、この恋に終止符を。
散々泣いた次の日、7月の平日は今日を含めてあと2日となった。
つまり、夏期講習も残り2日だ。
朝から晴樹には、昨日のことは謝った。
散々泣いて、未来の晴樹に謝っていたことがいい予行練習になっていたのかもしれない。
私はどうやら現在の晴樹より未来の晴樹の方が話しやすいらしいから。
ふてぶてしかったとは思うけど、きちんと告げられたことは嬉しかったし、彼との確執が増えなかったことにとても安心した。
だけど、私には気がかりなことがまだひとつ残っている。
それは、片岡さんのことだ。
彼女との今の状況は、晴樹が相手だったものとは違う。
私がなにかをしたり、言ったり、そういうことをしでかしたわけではない。
ただ、知られたくなかった過去がばれてしまい、あわせる顔がないと一方的に避けているだけ。
それだけだからこそ、近くにいるというその単純な行動が難しい。
だから夏休みに入って根づいてしまった共に行動する習慣をなくすため、片岡さんとは距離を取る。
今日も、私は彼女を避けるんだ。
授業を終えて、席を立ち、今日はかろうじて晴樹が準備を終えるのを待つ。
彼を連れるようにして教室を出た。
珍しく黙りこんだままの彼は私の隣で歩調をあわせていたはずなのに、下駄箱の近くで足をとめた。