未来の君のために、この恋に終止符を。
ワンテンポ遅れて、慌てて彼女をとめに入る。
ここまで私と一緒に来て、この場にいる晴樹を会話に混ぜることはおかしなことではない。
だけど、やっぱり話題が話題だけにどうしたって気まずい。
無理になにも言わせたくなくて、私は必死で腕を横に振る。
「そういうこと、言わなくていいから」
「ううん、だめだよ実莉。
晴樹はそういうところ、ちゃんと言った方がいいよ」
変な責任感に火をつけてしまったのか、めぐみの反応が熱い。
きりっとしたいい表情で、彼女らしいと言えばらしいが、どうすればいいかわからなくて正直困る。
本当に、勘弁して欲しい。
無理に言わせた言葉で、どれだけ虚しくても、晴樹の言葉だと思えば私は嬉しくなってしまうんだから。
「実莉」
晴樹が私の名前を呼ぶ。
それだけで私の動きはとまって、ちらりと彼を見上げてしまう。
期待した瞳を向けているのが気恥ずかしく、すぐに目をそらした。
どきどきと心臓が動き続けているのを感じつつ、黙って待っていると、
「なにやってんの?」
その場に投げこまれたのは、安藤くんの怪訝そうな声だ。