未来の君のために、この恋に終止符を。
唇をきゅっと巻きこんで、叫びたくなるような衝動を、心臓をくすぐられたような感覚を必死で抑えつける。
それでも赤くなってしまう顔を隠せない。
晴樹と顔をあわせられないままどうしたものかと思っていると、小さく声を上げた晴樹が残りわずかなブルーハワイのかき氷を手渡してくる。
その勢いに乗せられて受け取ると、「ちょっと待ってて」とだけ私のつむじに落として、その場から立ち去る。
なんだろう、と思うけど落ち着かない心を持て余している私は、ぼうっとその背が人の波にのまれるところを見ていた。
「どうしたんだろう。
急にどこかへ行ったりして、晴樹らしくないね」
「うん……」
「……でもまぁ、実莉は、今はそれどころじゃないかな」
そう言うめぐみはにやにやと口元を緩ませて、上機嫌だ。
嬉しそうだね、と色が薄まらない私の顔をのぞいた。
そうやって対応に困る反応をしているくせに、めぐみはやはりなんだかんだで委員長なんだ。
かき氷でわずかに濡れた指先をぬぐうためのティッシュを差し出してくれる。
それをありがたく受け取って、どきどきする気持ちをもぬぐうように丁寧にふき取った。