未来の君のために、この恋に終止符を。
ぽつぽつと言葉を交わす私とめぐみを見つめる安藤くんは黙々と食べものを口にしている。
しっかりした身体つきはこんなふうにたくさん食べてつくられているのか。
それにしてもこんなに食べて太らないなんて羨ましい。
「なんだよ」
あまりにも見過ぎていたのか、彼が私に視線を送る。
少し眉をひそめて、目つきがいつも以上に鋭くなる。
「別に」
「出た、『別に』。お前それ直らないよな」
私の口癖のようになっている、会話を断ち切ってしまう言葉。
今のは意図したものではなかったけど、褒められた言葉じゃないから、彼がそう言うのも仕方がない。
めぐみは安藤くんの言い方に怒ってくれているけど、でも言われた張本人である私はそこまで気にしていない。
ここ最近で安藤くんと話す機会は増えて、こうして一緒に遊んだりもして。
きついもの言いに慣れたんだ。
言い方や言葉選びでこわいと思うことも、いやだと感じることもあるけど、その中にのぞく優しさを知ったから。
めぐみとも安藤くんとも、もっと仲よくなりたい。
もっとたくさんの時間を共有したい。
だって、それには〝価値がある〟と他でもないめぐみに言われたんだから。