未来の君のために、この恋に終止符を。
現在も、未来も
自分の部屋の窓のカーテンを開ける。
道路側に面しているものだから、普段は締め切っているんだけど、今だけは特別だ。
クーラーの効いた部屋にいるにもかかわらず、思わず「暑い」と言ってしまいそうになるようなきつい日差し。
アスファルトの上で料理ができてしまいそうだ。
「なに見てるの?」
私の隣に並んで立つ未来の晴樹に一瞬だけ視線をやって、窓の下を見下ろす。
言葉が返ってこなかったことで、彼も同じように窓から外を見る。
しばらくして、隣の家の玄関が開く。
そこから出てきたのは晴樹だ。
今日は、彼は友だちと遊ぶと言っていた。
前に映画館で遭遇したメンバーを基本に、もう少し人数は多いらしい。
安藤くんもいるし、もちろん……立川さんだって。
私がいないところで晴樹を誘い続けていたであろう、立川さんは結局デートの約束だけは取りつけられなかった。
その分、せめて他の人がいてもいいからと遊ぶ回数をぐんと増やしたようだ。
窓から私がのぞいているとは思いもしない晴樹は、そのまま歩いて駅の方へと向かった。
その姿を見えなくなるまで見届けた。