未来の君のために、この恋に終止符を。




「そりゃ、嬉しいよ」



スマホを机の上に置く。

行儀悪く椅子の上で膝を抱えて、あごを乗せる。

部屋着のショートパンツから出ている素肌は冷たく、思わず火照った頬をすべらせる。



「だって友だちだよ。
2年ぶりの、大切な存在だよ」



中学生の時、私のそばにいてくれた友だち。

みんなのことが好きだったし、今でも嫌いじゃないし、少なくともあの頃はみんな私のことを想ってくれていたと信じている。



だけど私から遠ざけた。

私が、傷つけた。



後悔していないと言えばうそになるし、いつだって謝りたいと思っている。

上手に大切にできなかった自分が不甲斐ない。



だからこそ、めぐみとの距離が眩しくて、嬉しくて、私は守りたい。

そしていつか、どこかであの頃の友だちに会えたなら、微笑んで話をしたい。



前を向いた自分は、逃げない自分は、前より嫌いじゃないんだ。



「ねぇ、晴樹」

「ん?」

「晴樹はずっと私に友だちをつくろうとしていたよね」



確認のようで、これは確信だ。



ゆっくりと言葉を紡ぎながら、晴樹の様子を、変化がないかをじっくりと見ている。

そんな私を珍しそうに目を細めて、彼は視線を受けとめた。






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