未来の君のために、この恋に終止符を。




「え?」



心底不思議だと、意味がわからないとでも言うように晴樹は目を丸くする。

でも、と言葉を口にしようとするのをとめた。



「ひとりで考えたいことがあるから、お願い」



静かに、彼を見上げて話をした。

心をわけるように丁寧に言葉にした甲斐あって、困惑しながらも晴樹は頷いた。



彼に見送られて、家を出た。

外は人が歩くべきではないと思うほど熱を発していて、足元から熱気が這いあがるようだ。



本当はコンビニにはたいした用はない。

晴樹に言ったように、ひとりで考えるために許されそうな場所を口にしただけだ。



考えたいことはたくさんある。

現在の晴樹と、未来の晴樹の違うところ。

私がすべきこと。



ぐるぐると頭を駆け巡り、なにをどうするな決めかねていた。

どうしたってなにもできないから、いっそのこと道は狭まり追いつめられてしまいたいと思う。



情けなく、なんて弱いことだろう。

きちんと向きあうこともせず、私はとてもずるい。



唇を噛む。

せめて血が流れれば、慰めになるかもと思ったけど、なんの慰めになるのかと自分で自分を笑った。






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