未来の君のために、この恋に終止符を。
未来の晴樹に未来での話を聞いてから……改めて別れを切り出されてから、1週間が過ぎた。
私はあれからずっと悩んでいて、晴樹の名前に敏感になって、それなのに結論を出せずにいる。
別れることを了承できなかった私は、未来の晴樹と顔をあわせることを気まずく思うだけでなく、現在の晴樹も避けがちになってしまっていて。
それはよくないことだし、うまく誤魔化せないかと思ったけど、私はどうにも不器用で適度な距離を保てないんだ。
「実莉、晴樹となんかあったよね?」
質問でなく、確認の形を取る言葉に余計に顔をあげられなくなる。
睨みつけるようにアイスティーと水の境目に視線をやる。
「顔を合わせようとしないし、なんだか様子はおかしいし。
ぎこちないこととか、黙っていてもそれくらいはわかるよ」
困ったなぁとでも言うように、眉を寄せて、顔を覗きこんでくる。
その表情に、包みこんでくれる、布団のようにぽかぽかしたぬくもりを感じるけど、甘えることはできない。
これは、ただただ重たい、誰にも言えない事情があるから。
たとえめぐみが相手でも、少しも言葉になんてできない。