未来の君のために、この恋に終止符を。




私がなによりも守りたいもの。

なにに替えても大切にしたいもの。

そんなの、とっくの昔に決まっている。



私にとっては、唯一の────晴樹だ。



晴樹のためにはそばにいない方がいい。

そうじゃないと、彼が死んでしまう。

わかっている、それ以上に辛いことなんてないんだと自覚しているから。



「……私、決めたよ」



私は、晴樹と別れる覚悟を決めよう。



ここまで追いつめられないとその選択ができない自分はわがままでどうしようもないけど。

だけど最後にはそれを選び取って、晴樹の未来を繋いでみせる。



迷わない。

これは正しい選択のはずだから、なにがあっても揺らがないで。

絶対に後悔なんてしない。



未来の私に、晴樹の未来は消させない。



人との関わりで変わった私は、きっと未来を変えてみせる。

それができるはずだ。



そう教えてくれたのは、未来の晴樹だから。



君がくれたものを胸いっぱいに抱えこんで、なくさないように。

この関係が歪んでいるとわかっていても、君を縛るだけだとわかっていても、手放したくなかった、この哀しい恋を。



今、終わらせよう。

────この手で。






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