未来の君のために、この恋に終止符を。




私は許されていた。

無理やり付き合わせていたはずの晴樹に、愛されていた。



言葉にできない感情は、海のように荒れ狂い、穏やかに満ちて、波を立てた。

心は潤いを得て、とても幸せだ。



「っ、ぅ……」

「実莉はどうしても別れたい?
……泣くほどいや?」



見当違いの言葉を口にする晴樹は私に手を伸ばしながらも、相変わらず触れることは、ためらう。

彼は眉を寄せて、静かに瞳を揺らす。

頬を指先がかすめるようにして、器用に涙をすくった。



そんな晴樹のぬくもりが恋しくて、触れて欲しくて、触れたくて。

泣き声ばかりをもらすのどの奥を震わせて、首を横に振った。



「別れた、くな……、はる、き。
……好き、……っ」



ぼろぼろとあふれるままに、彼への想いを口にした。

その瞬間、晴樹の瞳からひとしずく、涙が落ちた。



そして完全に暗くなった公園で。

子どもの頃のように、無邪気に顔をくしゃくしゃにしながら笑った。



たとえいつか晴樹がいなくなるんだと、死んでしまうんだとしても。

それでもこの恋を後悔なんてしない。

好き。……好きなんだ。



その感情ひとつで、きっと十分だから。






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