未来の君のために、この恋に終止符を。




わざわざ私のところまで迎えに来なくていいのに、いつだってわざわざ来てくれる。

私はそんなことなんて、面倒をかけることなんて、望んでなんかいないのに。

だけどそれは彼が自分ですると決めたことだから、私の言葉では揺らがないんだ。



その出来事の中心にいるのは私のはずなのに、本当にそうなのかわからなくなる。



私が晴樹のことを考えている隙に、片岡さんは荷物をまとめ終わったらしい。

お待たせ、と立ち上がってひょこんとふたつ結びの髪を揺らした。



うん、と特に意味のこめられていない曖昧な返事をしたところで教室を出ると、



「あれ、崇人も一緒に来るの?」



気づけば後ろに安藤くんがいた。



「いや、タイミングかぶっただけ」

「そっか。まぁせっかくだし一緒に行こう!」



にこにこと邪気のない笑顔を浮かべる片岡さんのせいで、なぜか安藤くんの混ざった3人で教室移動をする羽目になってしまった。

クラスの委員長と、毒舌だけどクラスの中心にいる人と、浮いている女子。

妙な組み合わせに対する周りの視線がわずかに突き刺さる。



これでも晴樹がいないから、ましな方なんだと思う。

多分……ううん、確実に。

私の幼馴染は昔から、人の目を惹きつける、そういう人種だったから。






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