クロイツ魔法学園
腕時計に目をやる。
「よし、そろそろ行こっかな」
私は気になった雑誌を買い、コンビニを出た。
んー⋯
魔法で学校に行こうかなぁ。
ちょっと疲れちゃったんだよね、さっき走りすぎて。
⋯よし。
「エーラ!」
靴のかかと辺りを ポン、と叩くと、靴に白い羽が生えた。
天使の羽というより、妖精の羽と言った方がいいかな。
ふわふわとした羽じゃなく、透き通ったガラスのような羽を想像してみて。
たぶん、そんな感じだから。
軽く地面を蹴ると、私の体はいとも簡単に浮き、地面から離れた。
(クロイツ学園に!)
心の中でそう念じると、羽はそれに応えるように ビュンっと速度を上げた。
「あ、見えてきた!!」