白猫少女×溺愛若頭
ふと…誰かに手を握られた
後ろを向くと、前を向いたままの
翠が優しく…それでもすごく
暖かい手で私の手を握っていた
「な…に…して 」
翠「…握ってほしそうだったから」
この人なら…気づいてくれるかな?
どんなときでも…私の手に…
翠「おいで…凪穂」
私はなんの迷いもなく翠の胸に
飛びついた…
翠の匂いは柑橘系の匂い
母さんの匂いに似ていた
「私は…愛が欲しかった…
ぬくもりが欲しかった…
母さんが最後に言っていた…
めったに泣かなかった…
私の誇れる人が涙を流しながら
《私にはもう叶わない願いでも
いつかまた会えたとき…
仲良くなりたい》…と…」
あの時が初めてだった
あの人の涙を見るのは…
あれが最初で最後だったんだ…
それでも…母さんはこの人達許す
私は…許せるのかな?