花舞う街のリトル・クラウン
「それにしても凄い花束の数ですね」
「とても一人では運べそうにありません」と呆気に取られるエリオットに、オリバーは「それならばこのままお運びしましょうかのう」と申し出る。
エリオットは「よろしいのですか!?」と目を輝かせ、「ぜひよろしくお願いします」と頭を下げた。
「よいな、リル」
「はい」
それからリルはエリオットに案内されて王女リコリスの自室へと花束を運ぶことになった。
「失礼いたします」
王女の部屋は女の子らしいピンク色で満たされていた。
壁紙も、調度品も、淡い桃色が基調となっている。まるで人形の部屋のように可愛らしい空間だった。
「姫は少し用がありまして自室にはおられません」
「直接受け取ることができずに申し訳ありません」とエリオットは頭を下げる。
「いえ、こちらこそお忙しい時に申し訳ありません」
リルは頭を下げた。
一年で一番大切な日なのだ。忙しいに決まっている。
エリオットが示した場所に花束を移し終わり姫の部屋を出ると、オリバーから「これで仕事は一応終わりじゃ」と告げられた。
「わしは少し知り合いに挨拶してくる。ちとここで待っておれ」
「分かりました」
オリバーはリルの返事を聞く前に軽やかな足取りで貴族たちがいる方へと行ってしまった。
「とても一人では運べそうにありません」と呆気に取られるエリオットに、オリバーは「それならばこのままお運びしましょうかのう」と申し出る。
エリオットは「よろしいのですか!?」と目を輝かせ、「ぜひよろしくお願いします」と頭を下げた。
「よいな、リル」
「はい」
それからリルはエリオットに案内されて王女リコリスの自室へと花束を運ぶことになった。
「失礼いたします」
王女の部屋は女の子らしいピンク色で満たされていた。
壁紙も、調度品も、淡い桃色が基調となっている。まるで人形の部屋のように可愛らしい空間だった。
「姫は少し用がありまして自室にはおられません」
「直接受け取ることができずに申し訳ありません」とエリオットは頭を下げる。
「いえ、こちらこそお忙しい時に申し訳ありません」
リルは頭を下げた。
一年で一番大切な日なのだ。忙しいに決まっている。
エリオットが示した場所に花束を移し終わり姫の部屋を出ると、オリバーから「これで仕事は一応終わりじゃ」と告げられた。
「わしは少し知り合いに挨拶してくる。ちとここで待っておれ」
「分かりました」
オリバーはリルの返事を聞く前に軽やかな足取りで貴族たちがいる方へと行ってしまった。