花舞う街のリトル・クラウン
pompardo - ポンパルド -
pompardo【嫉妬・憎悪】
*
「リコリス様、リルどのが参られました」
伝令役の役人に連れられて、リコリス王女の自室に連れて来られた。
リルは困惑していた。なぜ自分がただの一度もお目通りになったことのない王女様に呼び出されたのか、皆目見当もつかない。
「失礼いたします」
緊張感でいっぱいになりながら王女の部屋に入る。
ソファもテーブルも、あらゆる調度品が淡いピンク色を基調としている部屋の真ん中で、優しく微笑む美しい女性が座ってこちらを見ている。
その美しさにリルは思わず目を奪われたがハッと我に返ると頭を下げた。
「花屋フルリエルより参りました、リル・エトメリアでございます」
すると王女は「顔をあげてください」と優しく微笑んだ。
「リコリス・パルテナですわ。ようこそおいでくださいました、リルどの」
時間の流れが違うようにも思えた。そのくらい王女は穏やかで優しい。
「すみません、お仕事中にお呼び立てして」
「いっ、いえ!」
緊張してつい声が裏返ってしまったリルに、王女は微笑んで「緊張なさらないで」と言う。
「シオン兄様に接しているようにしていただけたら良いのですよ」
その言葉にリルは表情を固くした。
「リコリス様、それは…」
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「リコリス様、リルどのが参られました」
伝令役の役人に連れられて、リコリス王女の自室に連れて来られた。
リルは困惑していた。なぜ自分がただの一度もお目通りになったことのない王女様に呼び出されたのか、皆目見当もつかない。
「失礼いたします」
緊張感でいっぱいになりながら王女の部屋に入る。
ソファもテーブルも、あらゆる調度品が淡いピンク色を基調としている部屋の真ん中で、優しく微笑む美しい女性が座ってこちらを見ている。
その美しさにリルは思わず目を奪われたがハッと我に返ると頭を下げた。
「花屋フルリエルより参りました、リル・エトメリアでございます」
すると王女は「顔をあげてください」と優しく微笑んだ。
「リコリス・パルテナですわ。ようこそおいでくださいました、リルどの」
時間の流れが違うようにも思えた。そのくらい王女は穏やかで優しい。
「すみません、お仕事中にお呼び立てして」
「いっ、いえ!」
緊張してつい声が裏返ってしまったリルに、王女は微笑んで「緊張なさらないで」と言う。
「シオン兄様に接しているようにしていただけたら良いのですよ」
その言葉にリルは表情を固くした。
「リコリス様、それは…」