花舞う街のリトル・クラウン
フルリエルの名前を聞いた警備のおじさんは怯えたように目を見開くと慌てて敬礼をした。
「はっ!話は聞いておりますっ!ど、どうぞ中へっ!」
急に仰仰しい態度を取り始めた警備のおじさんの変化にリルは戸惑いつつも、会釈をして敷地の中へと入っていく。
そこは花園だった。
花園だと言われたらそう思ってしまうほどに、ボスト家の庭は花に溢れていた。
王城ほどとは言わないまでも、個人の家でここまで多くの花を育てている家はそうそう見られない。
色とりどりの花を眺めながら、リルは屋敷の中に入っていった。
屋敷に入ってまず、王城にも負けず劣らない豪華なシャンデリアに目を奪われた。
はっとして下に目をやると、白い大理石でできた床の上に、高級な赤い絨毯が敷かれている。
そして落ち着いた年配男性やってきて「どちら様でしょうか」と尋ねられた。おそらく使用人なのだろう。
フルリエルの者だと名乗ると男性は頭を下げて「お待ちしておりました」と言う。
「お嬢様のお部屋までご案内いたします」
それからリルは花を抱えて、男性の後ろをついて歩く。
お嬢様クレーラの部屋は2階にあるらしい。
「こちらです」と使用人が示した部屋にノックをする。
「花屋フルリエルです。お花をお届けに参りました」
すると部屋の中から「運んでちょうだい」と声が聞こえた。
「失礼致します」
会釈をしながら入ったその部屋は、思わず目を奪われるほどに可愛らしいもので溢れていた。
「はっ!話は聞いておりますっ!ど、どうぞ中へっ!」
急に仰仰しい態度を取り始めた警備のおじさんの変化にリルは戸惑いつつも、会釈をして敷地の中へと入っていく。
そこは花園だった。
花園だと言われたらそう思ってしまうほどに、ボスト家の庭は花に溢れていた。
王城ほどとは言わないまでも、個人の家でここまで多くの花を育てている家はそうそう見られない。
色とりどりの花を眺めながら、リルは屋敷の中に入っていった。
屋敷に入ってまず、王城にも負けず劣らない豪華なシャンデリアに目を奪われた。
はっとして下に目をやると、白い大理石でできた床の上に、高級な赤い絨毯が敷かれている。
そして落ち着いた年配男性やってきて「どちら様でしょうか」と尋ねられた。おそらく使用人なのだろう。
フルリエルの者だと名乗ると男性は頭を下げて「お待ちしておりました」と言う。
「お嬢様のお部屋までご案内いたします」
それからリルは花を抱えて、男性の後ろをついて歩く。
お嬢様クレーラの部屋は2階にあるらしい。
「こちらです」と使用人が示した部屋にノックをする。
「花屋フルリエルです。お花をお届けに参りました」
すると部屋の中から「運んでちょうだい」と声が聞こえた。
「失礼致します」
会釈をしながら入ったその部屋は、思わず目を奪われるほどに可愛らしいもので溢れていた。