花舞う街のリトル・クラウン
rimbel - リンベル -
rimbel【回復を願う】
*
リルが目を醒ますと、そこは花園だった。
死んでしまったのだろうか、とも思ったけれど、体を起こすとその両脇にたくさんの種類の花が所せましと並べられていたのに気づいた。
ソファに寝ていたらしいリルには温かい毛布が掛けられている。
そういえば前にもこんなことがあったような気がする、とぼうっとする頭で思っていると、「起きたか」と声が聞こえてきた。
「あれ、オリバーさん…?」
「それ以外の誰に見えるんじゃ」
呆れた顔をしたオリバーが、お盆に温かいおかゆを載せてリルに近づいてくる。
そこでリルはここがフルリエルの店の中であることに気付いた。
「私、どうして…」
ボスト邸にいたはずの自分がどうしてフルリエルにいるのか分からず考え込むリルに、オリバーは「全く」と眉間に皺を寄せながら、テーブルにお盆を置いた。
「倒れたんじゃよ、ボスト邸の庭で。気付いたボスト家の使用人が馬車で運んで来たんじゃ。まったく、花を届けに行ったのに運ばれて戻ってくるなんぞ、客に余計な手間をかけさせるんじゃないわ!」
怒るオリバーの言葉は正しくて、リルは「すみません」と謝った。
しかしその言葉を聞いたオリバーは急に長い溜め息を吐いて、「まあ、理由は分かるがのう」と言った。
その言葉でリルはペンダントのことを思い出した。
手のひらにないことに気付いて焦って辺りを見渡すと、テーブルの上にそれはあった。
*
リルが目を醒ますと、そこは花園だった。
死んでしまったのだろうか、とも思ったけれど、体を起こすとその両脇にたくさんの種類の花が所せましと並べられていたのに気づいた。
ソファに寝ていたらしいリルには温かい毛布が掛けられている。
そういえば前にもこんなことがあったような気がする、とぼうっとする頭で思っていると、「起きたか」と声が聞こえてきた。
「あれ、オリバーさん…?」
「それ以外の誰に見えるんじゃ」
呆れた顔をしたオリバーが、お盆に温かいおかゆを載せてリルに近づいてくる。
そこでリルはここがフルリエルの店の中であることに気付いた。
「私、どうして…」
ボスト邸にいたはずの自分がどうしてフルリエルにいるのか分からず考え込むリルに、オリバーは「全く」と眉間に皺を寄せながら、テーブルにお盆を置いた。
「倒れたんじゃよ、ボスト邸の庭で。気付いたボスト家の使用人が馬車で運んで来たんじゃ。まったく、花を届けに行ったのに運ばれて戻ってくるなんぞ、客に余計な手間をかけさせるんじゃないわ!」
怒るオリバーの言葉は正しくて、リルは「すみません」と謝った。
しかしその言葉を聞いたオリバーは急に長い溜め息を吐いて、「まあ、理由は分かるがのう」と言った。
その言葉でリルはペンダントのことを思い出した。
手のひらにないことに気付いて焦って辺りを見渡すと、テーブルの上にそれはあった。