花舞う街のリトル・クラウン
もう、リルは涙を堪えられなかった。止まることを知らないように涙は溢れ続ける。

気持ちを伝えるばかりか、想いが通じ合って、そしてこの先を共に生きたいと告げられたのだ。どうやって涙を止めればいいというのだろう。

リルは大きく深呼吸をして涙を拭うと、笑ってシオンの手をとった。



「…はい」



__ざあっと風が吹き抜けていく。

巻き上がるような風に色とりどりの無数の花びらが舞って、2人に降り注ぐ。

祝福されているような幻想的な景色に、2人は微笑みあった。






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