花舞う街のリトル・クラウン
「私も、好きです。ずっとシオンが好きです」


出会ってから今日この日まで、リルには色んなことがあった。

嬉しいことと同じだけ、泣いたこともあった。傷ついたこともあった。

手が届かないと絶望もした。

それでもシオンは好きでいてくれた。

この先も好きでいてくれると言ってくれた。

だからどれだけ泣いても、どれだけ傷ついても、諦めないとリルは心から思ったのだ。

大好きな人の隣にいられるよう、手を伸ばし続けると。


幼い頃の出会いから始まったリルの旅は、こんなにも色鮮やかな大輪の花を咲かせた。

けれどこの花は枯れたりはしない。

やがて種を作って、また再び花を咲かせ、そうしてまた新たな種を作る。色鮮やかな花はいつまでも咲き乱れる。

そんな未来を思い描いて、リルは頭上で輝く花冠(リトル・クラウン)に願った。




FIn.





< 203 / 204 >

この作品をシェア

pagetop