花舞う街のリトル・クラウン
塀をくぐったそこは、目的地の王都パルテナ。
リルがあの日からずっと目指してきた場所だった。
入ってすぐ目の前には大きな道がまっすぐに続いていて、その先にはそびえ立つ王城が見えた。
「ここでいいか」
彼が振り返ってそう尋ね、リルは頷いた。
それから馬を降りもう一度感謝しようとすると彼はすぐに馬を走らせて街の中へと行ってしまった。
それでもリルはその姿が見えなくなるまで「ありがとうございました」と深々とお辞儀をしていた。
ただそこでリルは彼に名前を聞き損ねたなと思った。しかしそれをすぐに忘れてずっと目指してきた王都を散策することにした。
王都は堀と塀で囲まれているのだが、王都の中央にある王城をぐるりと囲むように店と民間が軒を連ねている。王城の周りにはまた堀があり、その堀が街中に巡り、今渡った外堀へと流れていく。
王国ダンディオーネは花の国との呼び声が高く、国中に花が溢れている。その中でも王都パルテナは花の街と呼ばれている。
けれど一度この景色を見て分かった。
王都は本当に、花で溢れている。
リルがあの日からずっと目指してきた場所だった。
入ってすぐ目の前には大きな道がまっすぐに続いていて、その先にはそびえ立つ王城が見えた。
「ここでいいか」
彼が振り返ってそう尋ね、リルは頷いた。
それから馬を降りもう一度感謝しようとすると彼はすぐに馬を走らせて街の中へと行ってしまった。
それでもリルはその姿が見えなくなるまで「ありがとうございました」と深々とお辞儀をしていた。
ただそこでリルは彼に名前を聞き損ねたなと思った。しかしそれをすぐに忘れてずっと目指してきた王都を散策することにした。
王都は堀と塀で囲まれているのだが、王都の中央にある王城をぐるりと囲むように店と民間が軒を連ねている。王城の周りにはまた堀があり、その堀が街中に巡り、今渡った外堀へと流れていく。
王国ダンディオーネは花の国との呼び声が高く、国中に花が溢れている。その中でも王都パルテナは花の街と呼ばれている。
けれど一度この景色を見て分かった。
王都は本当に、花で溢れている。