素敵な夜はあなたと・・・
「はぁ・・・・一人でクリスマスは寂しいな。お母さんとお父さんと一緒にクリスマスしちゃおうかな? どうせ優也さんは仕事だから、いいよね?」
茜は友達にクリスマスパーティへ呼ばれたと言うのは真っ赤な嘘だった。優也が一緒にクリスマスを過ごすのを嫌っているように見えた為、優也に気を遣わせたくなくて嘘を吐いていたのだ。
だから、一人寂しいクリスマスの夜を迎えたくなくて実家の両親と一緒に過ごそうと思った。美佐を驚かそうと思って茜はこっそり実家へ行こうと考えた。
--一人で帰ってくるとは思わないだろうから、お母さん、驚くだろうな♪ お父さんも今夜は仕事で遅いのかな?
実家へ帰ってからの事を考えるとワクワクする茜は、何か飛びっきりのクリスマスプレゼントをしようかと考えていた。
「そうだ!ホワイトクリスマスならぬホワイトシチューを作ろう!優也さんも美味しいって褒めてくれたから、きっと今日も一人で作れるわ!」
そうと決まれば茜は急いで出かける準備をした。実家までの道のりはタクシーを使えば道に迷うことはない。あまり公共の乗り物に乗り慣れていない茜にとってはタクシーが何よりの乗り物だ。
着替えを済ませた茜は急いでタクシーを呼び実家へと向かって行った。
茜が実家へ着いた時、そこには優也の乗っている車とそっくりな車が停まっていることに気付いた。胸騒ぎがした茜はタクシーにそのまま待っている様に頼むと、こっそりと玄関から中へと入って行った。