素敵な夜はあなたと・・・
翌朝、目を覚ました茜は祖父に既に引っ越し先のマンションが決まり、荷物も業者に手配が済んでいると聞かされた。
「凄い・・・・流石お祖父ちゃん。仕事が早いのね。」
「その代り一人で生活するんだぞ。誰の手も借りずに。これもお前の為を思えばのことだ。しっかり花嫁修業をするんだ。いいな?」
「ありがとう、お祖父ちゃん。」
「黒木にはお祖父ちゃんから連絡しておこう。お前は何も気にせずに高校生活を楽しむが良い。」
「うん、ありがとう!」
新しく用意して貰ったマンションはセキュリティのしっかりしたセレブ専用の高級マンションだ。茜一人が暮らすのに十分な広さのマンション。寝室が一間ありその隣にリビング・ダイニング・キッチンと繋がっている。リビングは10帖はあろうかという広さだが、ダイニングとキッチンは両方合わせて6帖大程度の広さだ。
一人で暮らすには十分な広さで茜にとってはここが自分の城だと思えた。
マンション近くにあるスーパーへは明日からは自分で買い物へ行き自分で炊事をする。洗濯物も自分で全てを洗い乾燥させる。掃除は殆ど優也がやってくれていたが今度からは茜自身が掃除も行う。
これからの生活は不安も大きいが夢も希望もあるのだと自分に言い聞かせていた。