素敵な夜はあなたと・・・

 会えない日が続くと次第に茜がいない生活に慣らされてしまう。

 そんな頃に、優也は美佐に茜の事で話があると喫茶店へと呼び出していた。

 美佐はあまり優也とは会いたくなかったが、茜のこととなれば知らん顔するわけにいかずその呼び出しに応じていた。

 茜の住んでいるマンションの近くの喫茶店とも知らず優也は美佐と二人テーブルを挟んでいた。



「茜がマンションを出たのは知ってるわ。父から連絡あったから。」

「マンションを出た理由を知っているのか?茜は俺に何も言わずにあんな行動取るとは思えない。」

「茜は一度思い込んだら梃子でも動かないわよ。それに、茜とはこのまま結婚生活を続ける気がなかったんでしょう? それを感じ取って茜は出て行ったのかも知れないわ。」


 美佐の言葉に優也はクリスマスの日の事を思い出した。一緒に過ごそうと楽しみにしていたようだった茜を優也はことごとく避けて来た。

 茜と二人だけの時間を過ごすのはあまりにも危険なような気がして優也には出来なかった。それを茜が不満に感じたのだろうかと考え込んだ。

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