素敵な夜はあなたと・・・

 茜がお金を差し出したけれど、優也はそのお金は無視し自分の財布からお金を取り出すと支払いを済ませた。茜のお金を受け取らなかった優也はそのまま店の外へと出て行った。



「待って、自分が食べた分は自分で払います!」

「そのお金は親から貰った小遣いだろう?」

「でも、」

「俺は君の夫なのだから今日からは君の出費は全て俺が支払う。そのつもりでいなさい。」



 優也はかなり厳しい口調で言うと車の施錠を解除し助手席のドアを開けると茜に乗るように目線を送った。


 茜は渋々車に乗ると自分でドアを閉めようと手をドアへ向けると優也がかなり力を入れてドアを閉めてしまった。


 「バタン!」と大きな音を立てて閉まったドアに優也を怒らせてしまったかと茜は小さくなってしまった。そして運転席に座った優也を横目で見て表情を窺っていた。怒っているようには見えないもあまり反応のない表情に茜は落ち込みそうになる。


 そんなにしてはいけないことをしたのかと。




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