素敵な夜はあなたと・・・
二人だけの楽しい時間を過ごしていた時、優也は会長から預かっていた合鍵で茜の部屋へと乗り込んで来た。
リビングのソファーで抱き合う二人を見た優也は斎藤の服を引っ張り茜から引き離した。
「ここで何をしているんだ?!!」
優也に突き放され床に倒れ込んだ斎藤はいきなりの優也の出現に驚いてしまった。床に転げ落ちた斎藤の所へと茜は駆け寄り斎藤に抱きついていた。
「大丈夫?怪我してない?」
「俺は平気だ。だけど、何で茜の祖父ちゃんの部下の癖にここまで来れるんだよ。使用人は使用人らしくするもんだろう?!」
斎藤の使用人発言に優也は事実を言ってやろうかと思った。しかし、今、暴露すれば優也の弱味もまた会長へと暴露されてしまう。優也はここは絶えるところだと心を静めるにに必死だった。
「会長に命令されている。茜との交際は認めないと。だから、直ぐに帰ってもらおう。」
「・・・・それって、俺と茜の交際を認めないってこと?」
「うん」
「今夜は大人しく帰るよ。茜、また話し合おう。」
斎藤は茜の祖父に交際を反対されていることを知るとショックを受けたのかその場は大人しく帰ってしまった。
残された茜は部屋を出て行こうとすると、優也にその行く手を阻まれてしまった。