クールなCEOと社内政略結婚!?
『でも、今回は私も強引すぎたわ』
「はぁ……」
『だって、よく考えてみたら結婚して初めてのお誕生日でしょう? ふたりっきりで過ごしたいわよね。私ったら、危うく馬に蹴られて死んじゃうところだったわ』
「いや、あの……あははは」
変に誤解されているみたいだけれど、そのほうが都合がいいと思い私は笑ってごまかした。
『うちには、また近いうちに来るとして、ひとつお願いがあるの』
「なんですか?」
急に声色が真剣なものに変わる。私はしっかりと耳を傾けた。
『私、一刻も早く孫の顔が見たいわ。うちの主人ね、本当にイケメンだったのよ。だから同じくらいかっこいい男の子よろしくね』
どこかで聞いたことのあるセリフのような気がしたけれど、頭が痛くなって何も考えたくない。
そもそも、孫どころかそういうことを一切してないのだとは、口がさけても言えない。
「はい……努力いたします」
『まぁ、努力だなんて! 若いっていいわね』
「ち、違います。お母様」
しかし電話の相手は慌てる私などお構いなしに、嬉しそうに笑って「じゃあ、頑張ってね」と言うとすぐに電話を切った。
……なんだろう、すごく疲れた。
ぐったりとして、ソファにもたれかかる。
「ほら、言った通りだろう。お前が相手した方が、話が早く済む」
「私は大変だったんだからねっ」
怒った私の顔を見て、なぜだか声を上げて笑った孝文がキッチンからペットボトルのミネラルウォーターを持ってきてくれた。
「はぁ……」
『だって、よく考えてみたら結婚して初めてのお誕生日でしょう? ふたりっきりで過ごしたいわよね。私ったら、危うく馬に蹴られて死んじゃうところだったわ』
「いや、あの……あははは」
変に誤解されているみたいだけれど、そのほうが都合がいいと思い私は笑ってごまかした。
『うちには、また近いうちに来るとして、ひとつお願いがあるの』
「なんですか?」
急に声色が真剣なものに変わる。私はしっかりと耳を傾けた。
『私、一刻も早く孫の顔が見たいわ。うちの主人ね、本当にイケメンだったのよ。だから同じくらいかっこいい男の子よろしくね』
どこかで聞いたことのあるセリフのような気がしたけれど、頭が痛くなって何も考えたくない。
そもそも、孫どころかそういうことを一切してないのだとは、口がさけても言えない。
「はい……努力いたします」
『まぁ、努力だなんて! 若いっていいわね』
「ち、違います。お母様」
しかし電話の相手は慌てる私などお構いなしに、嬉しそうに笑って「じゃあ、頑張ってね」と言うとすぐに電話を切った。
……なんだろう、すごく疲れた。
ぐったりとして、ソファにもたれかかる。
「ほら、言った通りだろう。お前が相手した方が、話が早く済む」
「私は大変だったんだからねっ」
怒った私の顔を見て、なぜだか声を上げて笑った孝文がキッチンからペットボトルのミネラルウォーターを持ってきてくれた。