クールなCEOと社内政略結婚!?
『俺に頼ればいい』

 昨日、孝文は私にそういって、抱きしめて、私の不安を取り除いてくれた。

 ひとりじゃないって、こんなに心強いものなんだ。

 無意識だろうか、孝文の手に力がこもった。密着する面積が増え、ドキンと胸が音を立てる。 私は眠る孝文の胸に自分の頬を押しあてた。自分でもどうしてそんなことをしたのかわからない。でも、聞こえてくる胸の鼓動が心地よくて、眠りを誘う。

 夫婦だもん……いいよね。

 別に誰に咎められるわけでもないのに、言い訳をして私は孝文の胸でもう一度眠りについた。
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