クールなCEOと社内政略結婚!?
第四章
①夫婦らしさ
休み明けの月曜日。
今月はアナスタシア創立の月にあたり、今日は本社大会議室でこれまでの会社の軌跡と今後の展開について取締役らから、説明を受けることになっている。本社だけでなく各支店社員もネット回線を通じてこの会議が中継される。
本社のほぼ全員が集まったホールはザワザワしていた。私はデザイン部に割り当てられた席に、梨花ちゃんと並んで座った。
「あぁ、これから二時間弱寝ないで我慢できる自信がないです」
「たしか去年もそんなこと言ってなかったっけ?」
並べらえた椅子に隣に座りながら、梨花ちゃんにそう返した。
「だって、昔から朝礼とか苦手なんですもん。あ、でも社長の顔を見られるのは楽しみですけど。今日のスーツはどんなのですかね?」
濃紺のスーツにブルーのストライプのクレリックシャツ。ネクタイは落ち着いたブロンズ寄りのゴールド……と朝みた孝文の出で立ちを教えるわけにもいかず「どうだろうねぇ」なんてごまかした。
ふと手元に視線を落とすと、あの日もらったブレスレットが目に入る。そっと指で触れていると、梨花ちゃんとは反対の席から声がかかる。
「あら、シンプルだけど素敵ね。どこのブランドのもの?」
「あ、雅さんっ! おはようございます」
「おはよう。いきなりゴメンね。ついつい気になっちゃって。シンプルだけど素材はすごく良さそうね」
今月はアナスタシア創立の月にあたり、今日は本社大会議室でこれまでの会社の軌跡と今後の展開について取締役らから、説明を受けることになっている。本社だけでなく各支店社員もネット回線を通じてこの会議が中継される。
本社のほぼ全員が集まったホールはザワザワしていた。私はデザイン部に割り当てられた席に、梨花ちゃんと並んで座った。
「あぁ、これから二時間弱寝ないで我慢できる自信がないです」
「たしか去年もそんなこと言ってなかったっけ?」
並べらえた椅子に隣に座りながら、梨花ちゃんにそう返した。
「だって、昔から朝礼とか苦手なんですもん。あ、でも社長の顔を見られるのは楽しみですけど。今日のスーツはどんなのですかね?」
濃紺のスーツにブルーのストライプのクレリックシャツ。ネクタイは落ち着いたブロンズ寄りのゴールド……と朝みた孝文の出で立ちを教えるわけにもいかず「どうだろうねぇ」なんてごまかした。
ふと手元に視線を落とすと、あの日もらったブレスレットが目に入る。そっと指で触れていると、梨花ちゃんとは反対の席から声がかかる。
「あら、シンプルだけど素敵ね。どこのブランドのもの?」
「あ、雅さんっ! おはようございます」
「おはよう。いきなりゴメンね。ついつい気になっちゃって。シンプルだけど素材はすごく良さそうね」