クールなCEOと社内政略結婚!?
「かわいい」
アルバムの中の孝文は思わず顔がにやけてしまうほどの愛らしさだ。お母様が可愛かったといって昔を懐かしむのも無理はない。まるで写真の孝文は天使のような笑顔でこちらを見ていた。
「おい、勝手に見るなよ」
「孝文だって、引っ越し初日に私のアルバム見たじゃない」
これで〝おあいこ〟だ。
私はアルバムを持ったまま、ソファで飲んでいる孝文の隣に座った。
「これって、お母様?」
孝文を抱いている美しい女性に目が留まる。本当に幸せそうな顔でこちらを見てほほ笑んでいる。そしてその隣にいるのは……。
「こっちは、親父だな。前の社長だから顔くらいは覚えてるか?」
「うん」
随分と厳しい人だったと聞いたことがある。けれど写真の中では、とろけそうな笑顔で孝文を見ていた。
そこからだんだんと大きくなっていく孝文を見ていく。とはいっても、写真があったのは小学生あたりまで。中学生になるとその数は激減した。思春期の男子ならこんなものなのかもしれない。
「しかし、どの写真も女の子がいっぱいだったね」
「そんなの俺が知るかよ。向こうから寄ってくるだから仕方ないだろ」
なんだその自慢は。まったくもって少し面白くない。あんまり話を聞きたくなくて、適当に聞き流しているとだんだんと眠気が襲ってきた。
「結局結婚したのはお前なんだから、運命って不思議だよな……」
「うん……」
「でも、お前が俺の――」
そこまでは記憶がある。けれどその先の言葉を聞けずに、私は眠りの中へと落ちていった。
アルバムの中の孝文は思わず顔がにやけてしまうほどの愛らしさだ。お母様が可愛かったといって昔を懐かしむのも無理はない。まるで写真の孝文は天使のような笑顔でこちらを見ていた。
「おい、勝手に見るなよ」
「孝文だって、引っ越し初日に私のアルバム見たじゃない」
これで〝おあいこ〟だ。
私はアルバムを持ったまま、ソファで飲んでいる孝文の隣に座った。
「これって、お母様?」
孝文を抱いている美しい女性に目が留まる。本当に幸せそうな顔でこちらを見てほほ笑んでいる。そしてその隣にいるのは……。
「こっちは、親父だな。前の社長だから顔くらいは覚えてるか?」
「うん」
随分と厳しい人だったと聞いたことがある。けれど写真の中では、とろけそうな笑顔で孝文を見ていた。
そこからだんだんと大きくなっていく孝文を見ていく。とはいっても、写真があったのは小学生あたりまで。中学生になるとその数は激減した。思春期の男子ならこんなものなのかもしれない。
「しかし、どの写真も女の子がいっぱいだったね」
「そんなの俺が知るかよ。向こうから寄ってくるだから仕方ないだろ」
なんだその自慢は。まったくもって少し面白くない。あんまり話を聞きたくなくて、適当に聞き流しているとだんだんと眠気が襲ってきた。
「結局結婚したのはお前なんだから、運命って不思議だよな……」
「うん……」
「でも、お前が俺の――」
そこまでは記憶がある。けれどその先の言葉を聞けずに、私は眠りの中へと落ちていった。