クールなCEOと社内政略結婚!?
第五章
①宣戦布告
早朝の高速道路を、孝文の運転する車が走る。少しだけウィンドウを下げて、車内に流れ込む朝の空気を肌に感じた。
サングラスをかけて運転する孝文の表情はわからないけれど、今朝目覚めた私にしらけた表情を見せた。
それもそうだろう……私だって、自分があんな状況で爆睡するなんて思ってもみなかった。
もしあのまま起きていたら、もっと先に進んだのかもしれない。
ふと昨日、孝文が触れたところが熱くなった気がして、落ち着かない。
これではまるで、私が孝文とそうなりたいと思っているみたいだ。
でも……そんなはずないって言いきれる?
自問自答していると、会社の最寄り駅が目に入る。
「この辺りで降ろしてくれる?」
「どうして?」
私のほうを見ずに、孝文は運転を続けている。
「だって私、このままこの車で出社するわけにはいかないもの」
「別にいいだろ。誰も気にしない」
気にしない訳ないじゃない。社長とただの平社員が一緒に出勤だなんて、一瞬で噂になってしまう。
「私が気にするの。とにかくそこの角で止めて」
私の指定した場所で、孝文がハザードランプをつけて車を停車させた。いそいで降りると「じゃあな」と言い残して車はあっと言う間に見えなくなってしまった。
私は念には念を入れて、カフェで時間を潰してから出勤することにした。
ロッカールームに入ると「おはようございます」と声がかかる。
サングラスをかけて運転する孝文の表情はわからないけれど、今朝目覚めた私にしらけた表情を見せた。
それもそうだろう……私だって、自分があんな状況で爆睡するなんて思ってもみなかった。
もしあのまま起きていたら、もっと先に進んだのかもしれない。
ふと昨日、孝文が触れたところが熱くなった気がして、落ち着かない。
これではまるで、私が孝文とそうなりたいと思っているみたいだ。
でも……そんなはずないって言いきれる?
自問自答していると、会社の最寄り駅が目に入る。
「この辺りで降ろしてくれる?」
「どうして?」
私のほうを見ずに、孝文は運転を続けている。
「だって私、このままこの車で出社するわけにはいかないもの」
「別にいいだろ。誰も気にしない」
気にしない訳ないじゃない。社長とただの平社員が一緒に出勤だなんて、一瞬で噂になってしまう。
「私が気にするの。とにかくそこの角で止めて」
私の指定した場所で、孝文がハザードランプをつけて車を停車させた。いそいで降りると「じゃあな」と言い残して車はあっと言う間に見えなくなってしまった。
私は念には念を入れて、カフェで時間を潰してから出勤することにした。
ロッカールームに入ると「おはようございます」と声がかかる。