クールなCEOと社内政略結婚!?
様々な部署に所属する女子たちが通勤中に崩れたメイクを直したり、制汗剤を使ったりして夏のロッカーは色んな匂いが入り交じっている。それと同じように噂話も。
女子の噂の八割は、ここから発信されているのではないだろうかとさえ思う。
身なりを整えていると背後から「ニュースです」と声が掛かる。驚いて振り向くとそこには梨花ちゃんが早く話をしたくて仕方がないといった様子で立っていた。
「な、何よ。朝っぱらから」
一瞬、今朝孝文の車から降りたのを見られたのかと思ってドキッとしたが、それならばきっとすごい剣幕で今頃、事実の追及をされているに違いない。
「驚かないでくださいよ。いや、驚いてください」
「もう、いったいどっちよ……」
バタンとロッカーを閉めて、梨花ちゃんと向き合う。
「この間、雅さんが諦められない人がいるって言っていたの覚えてますか?」
「うん」
たしか食堂で一緒に食事をしたとき、そんな話をしていた。
「それって、うちの社内の人間なんですって」
「え……社内の人?」
それまで何も感じていなかったのに、妙な違和感が湧きあがる。私の問いに梨花ちゃんは力強くうなずいた。
「はい。しかもその相手――」
ドキドキと心臓の音が大きくなった。私の第六感が危険信号を告げてきた。
女子の噂の八割は、ここから発信されているのではないだろうかとさえ思う。
身なりを整えていると背後から「ニュースです」と声が掛かる。驚いて振り向くとそこには梨花ちゃんが早く話をしたくて仕方がないといった様子で立っていた。
「な、何よ。朝っぱらから」
一瞬、今朝孝文の車から降りたのを見られたのかと思ってドキッとしたが、それならばきっとすごい剣幕で今頃、事実の追及をされているに違いない。
「驚かないでくださいよ。いや、驚いてください」
「もう、いったいどっちよ……」
バタンとロッカーを閉めて、梨花ちゃんと向き合う。
「この間、雅さんが諦められない人がいるって言っていたの覚えてますか?」
「うん」
たしか食堂で一緒に食事をしたとき、そんな話をしていた。
「それって、うちの社内の人間なんですって」
「え……社内の人?」
それまで何も感じていなかったのに、妙な違和感が湧きあがる。私の問いに梨花ちゃんは力強くうなずいた。
「はい。しかもその相手――」
ドキドキと心臓の音が大きくなった。私の第六感が危険信号を告げてきた。