クールなCEOと社内政略結婚!?
顔を上げて必死で笑顔を作った。私の胸のざわざわが、どうかバレませんように。
「こっち持つわね」
「はい。お願いします」」
ふたりで両端を持って机を動かした。ひとりで出来ないことはないけれどやはり手伝って貰うのはありがたい。
それに梨花ちゃんが言ったことはあくまで噂話だ。そんなことに振り回される必要はない。――そう自分に言い聞かせて平常心を保とうとしていた矢先だった。
「宗次さん……あなた、孝文とはどういう関係なの?」
「えっ?」
動かそうと持っていた椅子を思わず落としそうになる。
「あら、聞こえなかったかしら? 浮田社長とはどういう関係なのか教えて欲しいの」
椅子を並べながら、世間話の延長のように聞かれた。だから私も何でもないことのように答えればいい。
けれど動揺した私は、下手に答えてしまって墓穴だけは掘らないように言葉を選んだ。
「いきなりどうしたんですか?」
とにかくごまかすことにしたけれど、雅さんには通用しなかった。
「私、見ちゃったの。今朝、孝文の車から降りるあなたを」
うそ……、誰にも観られてないと思ったのに。
朝はやい時間だから油断していた。本当ならもっと遠くでおろしてもらうべきだった……いや、そもそも孝文の車で出勤したこと自体が間違いだった。
「こっち持つわね」
「はい。お願いします」」
ふたりで両端を持って机を動かした。ひとりで出来ないことはないけれどやはり手伝って貰うのはありがたい。
それに梨花ちゃんが言ったことはあくまで噂話だ。そんなことに振り回される必要はない。――そう自分に言い聞かせて平常心を保とうとしていた矢先だった。
「宗次さん……あなた、孝文とはどういう関係なの?」
「えっ?」
動かそうと持っていた椅子を思わず落としそうになる。
「あら、聞こえなかったかしら? 浮田社長とはどういう関係なのか教えて欲しいの」
椅子を並べながら、世間話の延長のように聞かれた。だから私も何でもないことのように答えればいい。
けれど動揺した私は、下手に答えてしまって墓穴だけは掘らないように言葉を選んだ。
「いきなりどうしたんですか?」
とにかくごまかすことにしたけれど、雅さんには通用しなかった。
「私、見ちゃったの。今朝、孝文の車から降りるあなたを」
うそ……、誰にも観られてないと思ったのに。
朝はやい時間だから油断していた。本当ならもっと遠くでおろしてもらうべきだった……いや、そもそも孝文の車で出勤したこと自体が間違いだった。