クールなCEOと社内政略結婚!?
モワッとした空気が体にまとわりつく。日が沈みいくらか気温は下がっていたけれど、不快感を持つ。気持ちが沈んでいるから余計にそんなふうに感じるのかもしれない。
うつむいてトボトボ歩いていると「あさ美」と、自分を呼ぶ声が聞こえた。顔をあげると俊介がガードレールにもたれて立っていた。
「俊介、どうして?」
驚いたとともに懐かしい顔を見てほっとした。
「どうしてって、ここから電話かけてたから。それより、お前仕事があるんじゃないの?」
私が嘘をついたって、分かって聞いてくる。
「こんなところで待ち伏せるなんて酷い」
「別に待ち伏せたわけじゃない。お前だって俺に嘘ついてるだろう」
電話でごまかすことはできるけれど、面と向かって俊介を騙す自信などない。私がうなずくと、いきなり俊介が私の手を引いて歩き出した。
「ちょっと、どうしたの?」
「とりあえず、飲みに行くぞ。俺、喉がカラカラなんだ」
ぐいぐいと手をひいて歩く俊介のあとを、転ばないように必死についていく。
「私、そんな気分じゃ」
「いいから、付き合え。そんなんで家に帰っても、ろくなこと考えないんだろうから、とりあえず飲んで、俺に愚痴れ」
確かにそうなのかもしれない。このまま帰ったところで、さっきのことを孝文に冷静に尋ねることが出来るとは思えない。
うつむいてトボトボ歩いていると「あさ美」と、自分を呼ぶ声が聞こえた。顔をあげると俊介がガードレールにもたれて立っていた。
「俊介、どうして?」
驚いたとともに懐かしい顔を見てほっとした。
「どうしてって、ここから電話かけてたから。それより、お前仕事があるんじゃないの?」
私が嘘をついたって、分かって聞いてくる。
「こんなところで待ち伏せるなんて酷い」
「別に待ち伏せたわけじゃない。お前だって俺に嘘ついてるだろう」
電話でごまかすことはできるけれど、面と向かって俊介を騙す自信などない。私がうなずくと、いきなり俊介が私の手を引いて歩き出した。
「ちょっと、どうしたの?」
「とりあえず、飲みに行くぞ。俺、喉がカラカラなんだ」
ぐいぐいと手をひいて歩く俊介のあとを、転ばないように必死についていく。
「私、そんな気分じゃ」
「いいから、付き合え。そんなんで家に帰っても、ろくなこと考えないんだろうから、とりあえず飲んで、俺に愚痴れ」
確かにそうなのかもしれない。このまま帰ったところで、さっきのことを孝文に冷静に尋ねることが出来るとは思えない。