クールなCEOと社内政略結婚!?
②嫌い、キライ……好き
それから数日、いまだに私と孝文はぎくしゃくしたままだ。
一緒に暮らしているとはいえ、もともと週末以外は朝の出社前くらいしか顔を合わせない。だから仲直りするチャンスもなく……それに何よりもお互い意地をはって、歩み寄ろうとしないのが原因だ。
わかっているけど……どうやって謝ればいいのか。どうやって私の気持ちをわかってもらえればいいのか、夫婦なのに仲直りの仕方もわからなかった。
私生活がどんな状態でも仕事は待ってくれない。孝文とのケンカの一因となっている女性が上司だからといって、そんなことはまったく関係ない。
「宗次さん、例のサンプルはどうなってるの?」
「はい。今日の午前中には届くはずです」
「届いたらすぐに確認したいから、私のところに持ってきてくれる?」
「はい。わかりました」
雅さんは今日もいつもと変わらずに美しい。
私と孝文との関係を問いただしたときの、あのピリピリした雰囲気は欠片も感じられなかった。思い返してみれば、あんなふうに感情をむき出しにした雅さんは初めて見たかもしれない。
「一階に届いていないか、確認してきます」
私はフロアを出ると、一階にある宅配の受取場所に向かった。十時半、早ければ最初の宅配便が届いているはずだ。
一緒に暮らしているとはいえ、もともと週末以外は朝の出社前くらいしか顔を合わせない。だから仲直りするチャンスもなく……それに何よりもお互い意地をはって、歩み寄ろうとしないのが原因だ。
わかっているけど……どうやって謝ればいいのか。どうやって私の気持ちをわかってもらえればいいのか、夫婦なのに仲直りの仕方もわからなかった。
私生活がどんな状態でも仕事は待ってくれない。孝文とのケンカの一因となっている女性が上司だからといって、そんなことはまったく関係ない。
「宗次さん、例のサンプルはどうなってるの?」
「はい。今日の午前中には届くはずです」
「届いたらすぐに確認したいから、私のところに持ってきてくれる?」
「はい。わかりました」
雅さんは今日もいつもと変わらずに美しい。
私と孝文との関係を問いただしたときの、あのピリピリした雰囲気は欠片も感じられなかった。思い返してみれば、あんなふうに感情をむき出しにした雅さんは初めて見たかもしれない。
「一階に届いていないか、確認してきます」
私はフロアを出ると、一階にある宅配の受取場所に向かった。十時半、早ければ最初の宅配便が届いているはずだ。