クールなCEOと社内政略結婚!?
「どこに行かれるおつもりですか? 宗次あさ美さん。しかし、本当に前を見て歩かない人ですね」
頭上から、耳に心地いいよく通る声が聞こえてくる。
これ、つい最近も経験した。デジャブ?
いや、アナスタシアの高級ラインのスーツに、わずかに香るムスクの香り。そうそう忘れるなんてことはない。この人は……。
「浮田社長っ!?」
顔を上げると、私を見下ろす日本人離れしたアイリッシュグレーの瞳とぶつかる。
そういえば……社長はクウォーターだって話だった。こんなにまっすぐ見つめることがこれまでなかったからなのか、はじめて意識したような気がする。
驚きすぎて状況についていっていないせいか、どうでもいいことが脳内に浮かんでくる。
「孝文くん、いや~久しぶりだね。また男前になったんじゃないか?」
「ご無沙汰しております、宗次さん」
浮田社長が父に深々と頭を下げている。私を置いて話を進めるふたりと、私は立ったままぼーっと眺めていた。
「いやー。君が私の息子になる日が来るなんてねぇ」
父が社長の背中をバンバン叩きながらうれしそうにしている顔を見て、はっと我に返った。
「ねぇ、お父さんいったいどういうこと?」
社長が目の前にいるのも構わずに、私は父を睨みつけた。
頭上から、耳に心地いいよく通る声が聞こえてくる。
これ、つい最近も経験した。デジャブ?
いや、アナスタシアの高級ラインのスーツに、わずかに香るムスクの香り。そうそう忘れるなんてことはない。この人は……。
「浮田社長っ!?」
顔を上げると、私を見下ろす日本人離れしたアイリッシュグレーの瞳とぶつかる。
そういえば……社長はクウォーターだって話だった。こんなにまっすぐ見つめることがこれまでなかったからなのか、はじめて意識したような気がする。
驚きすぎて状況についていっていないせいか、どうでもいいことが脳内に浮かんでくる。
「孝文くん、いや~久しぶりだね。また男前になったんじゃないか?」
「ご無沙汰しております、宗次さん」
浮田社長が父に深々と頭を下げている。私を置いて話を進めるふたりと、私は立ったままぼーっと眺めていた。
「いやー。君が私の息子になる日が来るなんてねぇ」
父が社長の背中をバンバン叩きながらうれしそうにしている顔を見て、はっと我に返った。
「ねぇ、お父さんいったいどういうこと?」
社長が目の前にいるのも構わずに、私は父を睨みつけた。