クールなCEOと社内政略結婚!?
「私諦めませんから。あのデザインは私にとって特別なんです。この件は……孝文に一任しているので、彼がきっとなんとかしてくれます」
本当は口を出すなと釘をさされているだけだ。それに私にはどうやってこの事態を打開できるのかわからなかった。
「なんとかって、どうするつもりなのかしら? 社長自らアナタのデザインだって公表するわけ? “赤の他人”のあなたの事を擁護するなんておかしな話じゃない?」
「私と孝文はっ……」
そうだ会社ではふたりが結婚したことは公表していなかった。もし今回のことで公になったとしたら、私はアナアスタシアのデザイン部でこのまま働くのは難しいただろう。周りに気を遣わせるようなことはしたくない。
今私にできることは、怒りを抑え冷静に雅さんと対峙することだった。
「提示できる証拠なんてどこにもないわ。それに……ふふふ」
急に笑い出した雅さんの顔をマジマジと見つめた。
「気を悪くしたなら、ごめんなさいね。だっておかしくて」
「何がおかしいんですか?」
思わず声を荒げた私を、小馬鹿にしたような笑顔で見つめてくる。
「だって、本当に孝文があなたの味方になるって信じてるのね?」
「どういう……意味ですか?」
「あのデザインだけど、私とあなたの名前どちらの名前で公表したほうが、利益がでると思う?」
どちらって……。それは……業界でも有名な雅さんに違いない。しかし、自分からそれを認めたくなくて、私は口をつぐんだ。
本当は口を出すなと釘をさされているだけだ。それに私にはどうやってこの事態を打開できるのかわからなかった。
「なんとかって、どうするつもりなのかしら? 社長自らアナタのデザインだって公表するわけ? “赤の他人”のあなたの事を擁護するなんておかしな話じゃない?」
「私と孝文はっ……」
そうだ会社ではふたりが結婚したことは公表していなかった。もし今回のことで公になったとしたら、私はアナアスタシアのデザイン部でこのまま働くのは難しいただろう。周りに気を遣わせるようなことはしたくない。
今私にできることは、怒りを抑え冷静に雅さんと対峙することだった。
「提示できる証拠なんてどこにもないわ。それに……ふふふ」
急に笑い出した雅さんの顔をマジマジと見つめた。
「気を悪くしたなら、ごめんなさいね。だっておかしくて」
「何がおかしいんですか?」
思わず声を荒げた私を、小馬鹿にしたような笑顔で見つめてくる。
「だって、本当に孝文があなたの味方になるって信じてるのね?」
「どういう……意味ですか?」
「あのデザインだけど、私とあなたの名前どちらの名前で公表したほうが、利益がでると思う?」
どちらって……。それは……業界でも有名な雅さんに違いない。しかし、自分からそれを認めたくなくて、私は口をつぐんだ。