クールなCEOと社内政略結婚!?
孝文は眉間にしわを寄せ、髪を乱暴にかき上げた。その仕草をするときは、彼が何かに対していら立っているときだ。それが分かってもなお、私は彼を責めることをやめなかった。
「じゃあどういうつもりなの? 私に結婚したと思い込ませて、父と一緒にだましておけばあなたには都合がいいから? いつか別れることになっても面倒な手続きがなくてすむものね。あ、それで私と別れたら雅さんと寄りを戻すつもりだった? だからあのデザインのことも私に我慢させるつもりなの?」
まくし立てる私を落ち着かせようと、孝文が何度か言葉をはさもうとした。けれど私はそれを許さない。
「ひどい、ひどいよ。やっと孝文と繋がれたと思ったのに、全部嘘だったなんて」
「嘘じゃないっ!」
それまで冷静だった彼が声を荒げ、私の腕を掴んだ。驚いて彼の顔を見ると真剣な眼差しで私を見つめている。
「嘘じゃないなら、これは何なの? 私たちはこの紙切れ一枚のカンケイからスターとしたんだよね。それがそもそもなかったなんて……私が騙されたと思うのが間違ってるとでも言うのっ!?」
「あさ美っ」
書斎を出てリビングに置いてあったバッグをつかむ。チェストに置いてある鍵に手を伸ばしたとき、背後から孝文に抱きしめられる。
「じゃあどういうつもりなの? 私に結婚したと思い込ませて、父と一緒にだましておけばあなたには都合がいいから? いつか別れることになっても面倒な手続きがなくてすむものね。あ、それで私と別れたら雅さんと寄りを戻すつもりだった? だからあのデザインのことも私に我慢させるつもりなの?」
まくし立てる私を落ち着かせようと、孝文が何度か言葉をはさもうとした。けれど私はそれを許さない。
「ひどい、ひどいよ。やっと孝文と繋がれたと思ったのに、全部嘘だったなんて」
「嘘じゃないっ!」
それまで冷静だった彼が声を荒げ、私の腕を掴んだ。驚いて彼の顔を見ると真剣な眼差しで私を見つめている。
「嘘じゃないなら、これは何なの? 私たちはこの紙切れ一枚のカンケイからスターとしたんだよね。それがそもそもなかったなんて……私が騙されたと思うのが間違ってるとでも言うのっ!?」
「あさ美っ」
書斎を出てリビングに置いてあったバッグをつかむ。チェストに置いてある鍵に手を伸ばしたとき、背後から孝文に抱きしめられる。