クールなCEOと社内政略結婚!?
③正気ですか?
〝濡れねずみ〟という言葉かぴったりなほど情けない姿になった私は、父が気を利かせてとってくれていた部屋で着替えることにした。
結果的に役に立ったのだから、父には感謝するべきだろうか?
シャワーを念入りに浴びて、バスローブを身に着ける。さすが高級ホテルのバスローブだけあって肌触りは抜群だ。簡単に髪を乾かして部屋へ戻ると、俊介がアナスタシアのショップバッグを持って待っていた。この近くの店舗で買ってきてくれたのだろう。私が近づくと俊介はそれを差し出した。
「ほら。これ」
「ありがとう。面倒かけてごめんね。あっ……これ、人気で売り切れてたって聞いてたのに、再販したんだ」
さっそく受け取った紙袋の中身を覗き込む。そこには、シフォン素材の藤色のワンピースが入っていた。たしか、有名な女優がトークショーで着たことで人気になって、完売したと聞いていた。
「俊介ってば、いつもはファッションに興味ないって言ってるくせに、センスあるじゃん」
「いや、だから……」
「褒めてもらえて、光栄だな」
俊介の言葉に、笑い交じりの声がかぶさる。私はすぐに声のした方を振り向いた。そこにはスマホを持ったまま腕組みをして、入口の扉にもたれかかっている社長がいた。
結果的に役に立ったのだから、父には感謝するべきだろうか?
シャワーを念入りに浴びて、バスローブを身に着ける。さすが高級ホテルのバスローブだけあって肌触りは抜群だ。簡単に髪を乾かして部屋へ戻ると、俊介がアナスタシアのショップバッグを持って待っていた。この近くの店舗で買ってきてくれたのだろう。私が近づくと俊介はそれを差し出した。
「ほら。これ」
「ありがとう。面倒かけてごめんね。あっ……これ、人気で売り切れてたって聞いてたのに、再販したんだ」
さっそく受け取った紙袋の中身を覗き込む。そこには、シフォン素材の藤色のワンピースが入っていた。たしか、有名な女優がトークショーで着たことで人気になって、完売したと聞いていた。
「俊介ってば、いつもはファッションに興味ないって言ってるくせに、センスあるじゃん」
「いや、だから……」
「褒めてもらえて、光栄だな」
俊介の言葉に、笑い交じりの声がかぶさる。私はすぐに声のした方を振り向いた。そこにはスマホを持ったまま腕組みをして、入口の扉にもたれかかっている社長がいた。