クールなCEOと社内政略結婚!?
がっくりとうなだれたまま、力なくソファの背もたれに体をうずめる。そんな私を見て社長はまた声をあげて笑い始めた。
「あははは……。ダメだっただろ? あの人とまともな話しようだななんて、無理なんだよ」
ひとの父親になんてことを。否定はできないけど。
しかし、こうなったら目の前でお腹を抱えて爆笑している男を説得するしかない。この結婚を回避するには、もうこれしか方法がないのだから。
私はソファに深く沈んでいた体を、起こすと姿勢を正した。私の態度に相手も気がつき、きちんと座りなおし話を聞く姿勢を見せてくれた。
一度大きく息を吸い込んで、まっすぐに相手に視線を向ける。私の挑むような態度に相手はなにか面白いものでも見るような顔をしている。
どうして人生の一大事なのに、そんな顔していられるの?
思わず口をついて出てしまいそうになった言葉を飲みこんでいるうちに、相手が先に口を開いた。
「で、お父様はなんだって?」
目の前で聞いていて、私が撃沈したのを知っているくせに……完全に面白がっているな。
「父は……、孫の顔が見たいって……」
「あはははっ」
「笑いごとじゃないです!」
なにがそんなにおかしいんだろうか? 社長にとっても自分の人生がかかっているというのに。
「あははは……。ダメだっただろ? あの人とまともな話しようだななんて、無理なんだよ」
ひとの父親になんてことを。否定はできないけど。
しかし、こうなったら目の前でお腹を抱えて爆笑している男を説得するしかない。この結婚を回避するには、もうこれしか方法がないのだから。
私はソファに深く沈んでいた体を、起こすと姿勢を正した。私の態度に相手も気がつき、きちんと座りなおし話を聞く姿勢を見せてくれた。
一度大きく息を吸い込んで、まっすぐに相手に視線を向ける。私の挑むような態度に相手はなにか面白いものでも見るような顔をしている。
どうして人生の一大事なのに、そんな顔していられるの?
思わず口をついて出てしまいそうになった言葉を飲みこんでいるうちに、相手が先に口を開いた。
「で、お父様はなんだって?」
目の前で聞いていて、私が撃沈したのを知っているくせに……完全に面白がっているな。
「父は……、孫の顔が見たいって……」
「あはははっ」
「笑いごとじゃないです!」
なにがそんなにおかしいんだろうか? 社長にとっても自分の人生がかかっているというのに。