クールなCEOと社内政略結婚!?
「たしか昨日の婚姻届は私が持っているはずなんですが……」
「あれは予備だ。これにお前がサインすれば、済む話だ。ほら、さっさとしろ」
「簡単にサインしろだなんて、言わないでください。私は社長とは結婚しません」
「この俺と結婚したい女は世の中にゴマンといるんだぞ、普通なら泣いて喜ぶ話だ」
「申し訳ないですけど、私はその〝ゴマン〟の中にも、普通の中にもあてはまらないみたいです」
途端に不機嫌そうな顔になり、目を細めてこちらを睨んでくる。一瞬ひるみそうになったけれど、なんとか踏ん張って睨み返した。
「確かに、父の援助は魅力的かもしれません。それなら私がきちんと話をして……」
社長のこの結婚のメリットは父の持つ潤沢な資金だ。だったら継続して支援してくれように取り付ければわざわざ結婚しなくてもすむ。
「じゃあクビだな」
「は?」
突然話の方向が変わって、ついていけずに素っ頓狂な声が出る。
「俺と結婚しないっていうなら、会社を辞めてもらう」
「そんな、それとこれとは話が別です」
母の好きだったアナスタシアで母の着られなかったウエディングドレスを作るのが私の夢だ。やっとデザイナーに昇格できたのに、こんなわけのわからない理由で解雇だなんて……。
「あれは予備だ。これにお前がサインすれば、済む話だ。ほら、さっさとしろ」
「簡単にサインしろだなんて、言わないでください。私は社長とは結婚しません」
「この俺と結婚したい女は世の中にゴマンといるんだぞ、普通なら泣いて喜ぶ話だ」
「申し訳ないですけど、私はその〝ゴマン〟の中にも、普通の中にもあてはまらないみたいです」
途端に不機嫌そうな顔になり、目を細めてこちらを睨んでくる。一瞬ひるみそうになったけれど、なんとか踏ん張って睨み返した。
「確かに、父の援助は魅力的かもしれません。それなら私がきちんと話をして……」
社長のこの結婚のメリットは父の持つ潤沢な資金だ。だったら継続して支援してくれように取り付ければわざわざ結婚しなくてもすむ。
「じゃあクビだな」
「は?」
突然話の方向が変わって、ついていけずに素っ頓狂な声が出る。
「俺と結婚しないっていうなら、会社を辞めてもらう」
「そんな、それとこれとは話が別です」
母の好きだったアナスタシアで母の着られなかったウエディングドレスを作るのが私の夢だ。やっとデザイナーに昇格できたのに、こんなわけのわからない理由で解雇だなんて……。