クールなCEOと社内政略結婚!?
『……もしもし』
「いったい、どーいうことなんですかっ?」
私は相手も確認せずに、電話に出た男に噛みついた。確認しなくたって、相手が誰だかわかる。
『朝っぱらからうるさい』
その朝っぱらから、こんな事件を巻き起こした張本人が何を言う。
「どうして、いきなり引っ越しなんですかっ? 社長!」
私の声に、目の前にいる引っ越し業者の女性がビックリしている。彼女だって迷惑な話だ。依頼された先に向かったら、こんな状態になっていたなんて。きっと初めての経験だろう。
『お前が日付を決めないから、俺が決めた』
「何、勝手なことしてるんですか? 私の意見も聞かずに」
『俺がわざわざ聞いてやったのに、お前が答えなかったのが悪い。そこに居座ってもいいんだぞ。まぁ、仕事クビになったら、そこにも住んでいられないだろうけどな』
「そんなっ! 言われた通りにサインしたのに――」
『安心しろ、ちゃんと作業員は女性ばかりにしてある』
そう言った途端、電話はブチんと切れた。私は再度かけなおしたけれど、直に留守番電話につながるようになってしまう。
「あいつ!」
毒を吐く私に、目の前の女性が困った表情で私を見つめた。
「あの……本日はこの後にも予定が入っておりまして……」
本当に困った顔だ。これ以上関係のない人に迷惑をかけるわけにはいかない。私は扉を大きく開いて「どうぞ」と声をかけた。
……とりあえず、着替えなくちゃ。
「いったい、どーいうことなんですかっ?」
私は相手も確認せずに、電話に出た男に噛みついた。確認しなくたって、相手が誰だかわかる。
『朝っぱらからうるさい』
その朝っぱらから、こんな事件を巻き起こした張本人が何を言う。
「どうして、いきなり引っ越しなんですかっ? 社長!」
私の声に、目の前にいる引っ越し業者の女性がビックリしている。彼女だって迷惑な話だ。依頼された先に向かったら、こんな状態になっていたなんて。きっと初めての経験だろう。
『お前が日付を決めないから、俺が決めた』
「何、勝手なことしてるんですか? 私の意見も聞かずに」
『俺がわざわざ聞いてやったのに、お前が答えなかったのが悪い。そこに居座ってもいいんだぞ。まぁ、仕事クビになったら、そこにも住んでいられないだろうけどな』
「そんなっ! 言われた通りにサインしたのに――」
『安心しろ、ちゃんと作業員は女性ばかりにしてある』
そう言った途端、電話はブチんと切れた。私は再度かけなおしたけれど、直に留守番電話につながるようになってしまう。
「あいつ!」
毒を吐く私に、目の前の女性が困った表情で私を見つめた。
「あの……本日はこの後にも予定が入っておりまして……」
本当に困った顔だ。これ以上関係のない人に迷惑をかけるわけにはいかない。私は扉を大きく開いて「どうぞ」と声をかけた。
……とりあえず、着替えなくちゃ。