クールなCEOと社内政略結婚!?
③敵は我が家にあり
――コンコンッ
扉をノックする音で目が覚めた。うっすらと目をひらくと見慣れない天井と壁紙に一瞬にして目が覚め、体を起こした。そしてそのとき初めて自分があのまま眠ってしまったことに気がついた。
あぁ……最悪。
ぼさぼさの髪を掻きあげてため息をつき、肩を落とす。そんな私に再度ノックの音が聞こえた。今度はさっきよりも苛立っているように聞こえ、慌ててベッドから下りて扉を開けた。
「遅い」
そこには、すでにスーツ姿の社長が眉間に皺を寄せて不機嫌な顔で立っていた。
「おはようございます」
なんとなく寝起きの顔を見られるのが恥ずかしかったけれど、とりあえず小さなこえで挨拶をした。
「おはよう。俺もうそろそろ仕事行くから、これ」
そういって渡されたのはこの部屋の鍵だ。
「昨日渡そうと思ってたけど、お前部屋から出てこなかっただろ? 鍵は電子ロックになってるから、車のキーみたいにすれば解錠できる」
「あ、はい。すみません、わざわざ出勤前に、っていうか今何時ですか?」
この家に来て、まだ数時間だ。時計の場所さえ把握していない。社長が指さす方を目で追おうと、シンプルな白い時計が六時十五分を指していた。
扉をノックする音で目が覚めた。うっすらと目をひらくと見慣れない天井と壁紙に一瞬にして目が覚め、体を起こした。そしてそのとき初めて自分があのまま眠ってしまったことに気がついた。
あぁ……最悪。
ぼさぼさの髪を掻きあげてため息をつき、肩を落とす。そんな私に再度ノックの音が聞こえた。今度はさっきよりも苛立っているように聞こえ、慌ててベッドから下りて扉を開けた。
「遅い」
そこには、すでにスーツ姿の社長が眉間に皺を寄せて不機嫌な顔で立っていた。
「おはようございます」
なんとなく寝起きの顔を見られるのが恥ずかしかったけれど、とりあえず小さなこえで挨拶をした。
「おはよう。俺もうそろそろ仕事行くから、これ」
そういって渡されたのはこの部屋の鍵だ。
「昨日渡そうと思ってたけど、お前部屋から出てこなかっただろ? 鍵は電子ロックになってるから、車のキーみたいにすれば解錠できる」
「あ、はい。すみません、わざわざ出勤前に、っていうか今何時ですか?」
この家に来て、まだ数時間だ。時計の場所さえ把握していない。社長が指さす方を目で追おうと、シンプルな白い時計が六時十五分を指していた。