クールなCEOと社内政略結婚!?
第三章
①膝枕で眠らせて
その夜私は、仕事を終えるとまっすぐ、新しく自分の家になったマンションへ向かった。荷物の片付けも完全に終わってないし、なによりも色々と孝文と話しておかなければいけないことがあるからだ。
オートロックを解除しようとしたところで、朝見た空っぽの冷蔵庫が頭をよぎった。このままでは明日の昼までに、またなにも食べられなくなってしまう。
私はくるりと踵を返すと、駅前にあったスーパーまで戻って買い物を済ませることにした。
「重い……」
結局あれもこれもと買いすぎて、両手に大きな袋をもって帰ることになった。これで米を買っていたら完全にアウトだな。私は筆記し荷物のキッチン用品の中に米を忍ばせておいた自分を褒めた。
やっとのことでたどり着いた部屋は、真っ暗でまだ孝文は帰ってきていないみたいだった。
食材をキッチンにおいて、とりあえず着替えようと自室に向かう。いつもの少し……いやだいぶくたびれた部屋着を手にとりそうになってやめた。代わりにスウェット素材のロングワンピを身に着けてキッチンに移動した。部屋着にまで気を遣わなくていけないなんて、人と暮らすのって大変だな。
小さなため息をつき、自分の持ってきたキッチン用品を取り出して料理を開始した。