兄弟ものがたり
「わかった。じゃあ、残りはぼくが量っておくから。三原くんは、はい!泡立て器を持って」
突如握らされた泡立て器に陽仁が首を傾げていると、あっという間に量り終えられたバターが、ボウルの中にちょこんと収まって目の前に現れた。
「これ、クリームみたいになるまで混ぜて」
目の前のボウルをしげしげと見つめた陽仁は、グラニュー糖を量り始めた立河に視線を向ける。
「これを、混ぜればいいのか?クリームみたいになるまで?」
「そうだよ。乱暴にし過ぎて、周りに撒き散らさないようにね」
視線は目盛りに向けたままで、立河が答える。
それで納得したのか、陽仁は一つ大きく頷くと、泡立て器をバターに突き立てるようにしてグリグリと回し始めた。
「バターがクリームになるとは驚きだ。この塊が、あんなに真っ白でふわふわになるのか」
感嘆の声を漏らしながら手を動かす陽仁に、立河は手を止めて顔を上げる。
「三原くん、一応言っておくけど、バターは生クリームにはならないからね」
まさかとは思ったが、今の発言は気になったので立河がそう告げると、陽仁の表情に驚愕が浮かんだ。
突如握らされた泡立て器に陽仁が首を傾げていると、あっという間に量り終えられたバターが、ボウルの中にちょこんと収まって目の前に現れた。
「これ、クリームみたいになるまで混ぜて」
目の前のボウルをしげしげと見つめた陽仁は、グラニュー糖を量り始めた立河に視線を向ける。
「これを、混ぜればいいのか?クリームみたいになるまで?」
「そうだよ。乱暴にし過ぎて、周りに撒き散らさないようにね」
視線は目盛りに向けたままで、立河が答える。
それで納得したのか、陽仁は一つ大きく頷くと、泡立て器をバターに突き立てるようにしてグリグリと回し始めた。
「バターがクリームになるとは驚きだ。この塊が、あんなに真っ白でふわふわになるのか」
感嘆の声を漏らしながら手を動かす陽仁に、立河は手を止めて顔を上げる。
「三原くん、一応言っておくけど、バターは生クリームにはならないからね」
まさかとは思ったが、今の発言は気になったので立河がそう告げると、陽仁の表情に驚愕が浮かんだ。