兄弟ものがたり
本日陽仁は、所属しているテニスサークルの練習試合がある。
とはいっても、サークル内で一番上手い人を決めるだけの仲間内の試合だ。
誰かが一番上手いのは誰だと言い始め、それを決めるための試合をしようと賛同者が集まり、開催されることとなった。
「もちろん!」
「……せっかくの休みなのに」
笑顔で即答する真悠と、面倒くさい気持ちを隠そうともしない和人。
「休みの日にスポーツ観戦、いいじゃないか!それに今日は大活躍の予感がしているからな、しっかり見ていろよ」
「じゃあ後でな!」と手を振ってリビングを出て行く陽仁の後ろ姿を見送ると、最後に真悠はくるっと和人の方を振り返った。
「それで、かずくんは何をお捜し?」
下から覗き込んでくるような、唐突なその上目遣いに、和人の心臓がドキンと跳ねる。
「かずくん?」
無言で立ち尽くす和人を不審に思ったのか、真悠が顔の前でひらひらと手を振る。
とはいっても、サークル内で一番上手い人を決めるだけの仲間内の試合だ。
誰かが一番上手いのは誰だと言い始め、それを決めるための試合をしようと賛同者が集まり、開催されることとなった。
「もちろん!」
「……せっかくの休みなのに」
笑顔で即答する真悠と、面倒くさい気持ちを隠そうともしない和人。
「休みの日にスポーツ観戦、いいじゃないか!それに今日は大活躍の予感がしているからな、しっかり見ていろよ」
「じゃあ後でな!」と手を振ってリビングを出て行く陽仁の後ろ姿を見送ると、最後に真悠はくるっと和人の方を振り返った。
「それで、かずくんは何をお捜し?」
下から覗き込んでくるような、唐突なその上目遣いに、和人の心臓がドキンと跳ねる。
「かずくん?」
無言で立ち尽くす和人を不審に思ったのか、真悠が顔の前でひらひらと手を振る。