兄弟ものがたり
「おーい、かずくん」
目の前でゆらゆらと揺れる真悠の手に、ハッと我に返った和人は、今までの沈黙を誤魔化すように慌てて口を開いた。
「べ、別に何も捜してねえよ。華の高校生が、休日に遊ぶ予定もないなんて寂しいやつだなって思っただけだ」
和人の言葉に、真悠の頬がピクッと引きつった。
「いやだな、かずくん。ドアが鼻に擦りそうになったくらいで、そんな嫌味なこと言うなんて。心が狭い男はモテないよ?」
真悠の言葉に、今度は和人の頬が引きつった。
「誰が何だって?言っとくがな、俺はモテるモテないにこだわる様な、そんなちっちゃい男じゃないんだよ」
「ほっほおー、それは素晴らしくいいことを聞いたなー。昔は、はるくんとどっちがより女の子にモテるか競争してた人の言葉とは思えない」
「い、いつの話してんだよ!!」
「ほんの数年前ですが、何か?」
真悠の凄味のある笑顔に押される形で、和人はうぐっと言葉に詰まった。
「年下だからって甘く見ないでよね。かずくんが口喧嘩で私に勝とうなんて、百億万年早いから」
勝ち誇ったように胸を反らす真悠を、和人は悔しそうに睨んでから、くるっと踵を返した。
目の前でゆらゆらと揺れる真悠の手に、ハッと我に返った和人は、今までの沈黙を誤魔化すように慌てて口を開いた。
「べ、別に何も捜してねえよ。華の高校生が、休日に遊ぶ予定もないなんて寂しいやつだなって思っただけだ」
和人の言葉に、真悠の頬がピクッと引きつった。
「いやだな、かずくん。ドアが鼻に擦りそうになったくらいで、そんな嫌味なこと言うなんて。心が狭い男はモテないよ?」
真悠の言葉に、今度は和人の頬が引きつった。
「誰が何だって?言っとくがな、俺はモテるモテないにこだわる様な、そんなちっちゃい男じゃないんだよ」
「ほっほおー、それは素晴らしくいいことを聞いたなー。昔は、はるくんとどっちがより女の子にモテるか競争してた人の言葉とは思えない」
「い、いつの話してんだよ!!」
「ほんの数年前ですが、何か?」
真悠の凄味のある笑顔に押される形で、和人はうぐっと言葉に詰まった。
「年下だからって甘く見ないでよね。かずくんが口喧嘩で私に勝とうなんて、百億万年早いから」
勝ち誇ったように胸を反らす真悠を、和人は悔しそうに睨んでから、くるっと踵を返した。