兄弟ものがたり
ここで真悠の名前を口にするのが妙に気恥ずかしくてどもってしまったが、今度は問題なく伝わったようで、陽仁は「前に立河にも同じことを訊かれたんだよな」と呟いて
「もちろん、好きだぞ」
屈託のない笑顔で答えた。
「そんなの当たり前だろ、真悠はおれ達の家族みたいなものなんだから。だから大切に思っているし、そういう意味で好きだ。もちろん、おまえのことも大切だし大好きだぞ、和人!」
「……やめろ。朝っぱらから弟に向かって大好きとか叫ぶな、気持ち悪い」
じゃあいつならいいんだ?昼か?夜か?という陽仁のおバカな問いはスルーして、和人はさっさと自分の部屋に入ると、タンスを開ける。
問題の青い靴下を見付けると、バラバラにならないようにとひとまとめにされた二足をばらしてみる。
片方は無地の青い靴下。けれどもう片方は、同じ青でも足首に黄色でDreamと書いてある靴下だった。
「ほらよ。お前のだっせえ靴下は、俺のところに紛れてた」
「おお、そうだったのか!どうりで見つからないわけだ。ありがとう和人。それで、さっきの話の続きだけどな――」
「お前はいつまでその話を続ける気なんだよ!」
「もちろん、好きだぞ」
屈託のない笑顔で答えた。
「そんなの当たり前だろ、真悠はおれ達の家族みたいなものなんだから。だから大切に思っているし、そういう意味で好きだ。もちろん、おまえのことも大切だし大好きだぞ、和人!」
「……やめろ。朝っぱらから弟に向かって大好きとか叫ぶな、気持ち悪い」
じゃあいつならいいんだ?昼か?夜か?という陽仁のおバカな問いはスルーして、和人はさっさと自分の部屋に入ると、タンスを開ける。
問題の青い靴下を見付けると、バラバラにならないようにとひとまとめにされた二足をばらしてみる。
片方は無地の青い靴下。けれどもう片方は、同じ青でも足首に黄色でDreamと書いてある靴下だった。
「ほらよ。お前のだっせえ靴下は、俺のところに紛れてた」
「おお、そうだったのか!どうりで見つからないわけだ。ありがとう和人。それで、さっきの話の続きだけどな――」
「お前はいつまでその話を続ける気なんだよ!」