Be!渋谷店の事件簿
連休初日のお昼時。車の往来もあって、普通の駐車場の光景と何も変わらない。
ちょっと排気ガスの匂いが臭いくらいだ。
「大丈夫?」
五十嵐を見ると眉間にシワを寄せて歩いていた。
「無理しなくてもいいのに、はい」
渡した物はハンカチ。
五十嵐は昔、排気ガスの匂いが大嫌いと言っていた。
「悪い」
珍しく素直に私からハンカチを受け取った五十嵐は、
「ったく、くせーっての」
駐車場に対して悪態をつき始めた。
「はは。私一人でも良かったのに」
苦手なのに無理について付いてきてくれた五十嵐にちょっと感謝した。
「こうやって見ると、駐車場って意外と死角になるとこ多いな」
防犯カメラの位置を確認しながら歩く。
「あの扉ってどこにつながってるの?」
「俺も知らない」
駐車場の片隅に何の表示も出てないクリーム色の普通の扉がある。
「ここも死角だな」
五十嵐の声にカメラを探したけど、角になっているここを向いているカメラはない。
「開けてみようか?」
今は車が止まっていないけど、ここに大きな車を止めたら誰にも気付かれずにここから店内に入れるかもしれない。
私と五十嵐がその扉に手をかけようとした時、
ジャリっ…
背後で人の気配がした。
ちょっと排気ガスの匂いが臭いくらいだ。
「大丈夫?」
五十嵐を見ると眉間にシワを寄せて歩いていた。
「無理しなくてもいいのに、はい」
渡した物はハンカチ。
五十嵐は昔、排気ガスの匂いが大嫌いと言っていた。
「悪い」
珍しく素直に私からハンカチを受け取った五十嵐は、
「ったく、くせーっての」
駐車場に対して悪態をつき始めた。
「はは。私一人でも良かったのに」
苦手なのに無理について付いてきてくれた五十嵐にちょっと感謝した。
「こうやって見ると、駐車場って意外と死角になるとこ多いな」
防犯カメラの位置を確認しながら歩く。
「あの扉ってどこにつながってるの?」
「俺も知らない」
駐車場の片隅に何の表示も出てないクリーム色の普通の扉がある。
「ここも死角だな」
五十嵐の声にカメラを探したけど、角になっているここを向いているカメラはない。
「開けてみようか?」
今は車が止まっていないけど、ここに大きな車を止めたら誰にも気付かれずにここから店内に入れるかもしれない。
私と五十嵐がその扉に手をかけようとした時、
ジャリっ…
背後で人の気配がした。